カテゴリー: 感電

一人親方あんしん労災 – 高圧配電線の破損部分修復中に感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

高圧配電線の破損部分修復中に感電


発生状況

本件労働災害は、墓地を造成する工事中に発生したものである。現場はもともと竹やぶで、墓地にする箇所に生えた竹を切り根を掘り起こして処分する予定で、35日の工期で契約していた。

被災者はドラグ・ショベルでの作業を終了させ車体を旋回させようとしたが、そのとき高圧配電線(高さ5.6m)にドラグ・ショベルのアームが触れてしまった。

そこで同僚は被災者に「バケットに乗って配電線の状態を確認して」と伝え、被災者はこれに応じ同僚の運転するドラグ・ショベルのバケットから損傷具合を確認した。すると配電線はポリエチレン製の絶縁皮膜が剥がれてしまっていたことがわかった。

被災者は電力会社に連絡せず自分で絶縁テープを配電線に巻きつけて修復しようとしたが、しばらくして感電し地上に墜落した。配電線には作業前から一部防護管が設置されていない箇所があり、今回破損したのもその部分だった。

原因・対策

本件労災の原因は、6600Vの高圧電流が流れているにも関わらず配電線の全てに防護管を取り付けていなかったことや、被災者が電力会社に連絡せず自力で直そうとしたことが挙げられる。またドラグ・ショベルのバケットに人を乗せる行為も危険であり事故発生の要因である。

このような災害の対策として、現場の感電防止策を徹底することや高圧配電線を破損した場合すぐに電力会社に連絡し修理を依頼することが重要である。またドラグ・ショベルは運転席以外に人を乗せて作業等を行わないことも重要である。

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一人親方あんしん労災 – 検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電

一人親方あんしん労災 - 感電の労災事例

検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電


発生状況

本件労働災害は、変電設備のメンテナンス作業中に、作業者1名がバイパスケーブルに触れ、感電したものである。

事故発生当日、現場責任者を含めた作業者3名でキュービクルのメンテナンス作業を担っていた。本キュービクル内には、電源の断路器以外にもバイパスケーブル等の配線も接続されていた。

作業はまず断路器の電源を切り、検電器で停電を確認してから点検・清掃等のメンテナンスを行うものであり、バイパスケーブルは通常停電状態なので、普段からほとんど気にとめることなく作業が行われていた。しかし、事故発生の数日前に起きた電気系統の故障により、その日はバイパスケーブルに電流が流れていた。そのことを知らなかった被災者1名がいつも通り点検を行おうとしたところ、6600Vもの電圧がかかるバイパスケーブルに触れてしまい、感電したものである。

原因・対策

本件労災は、絶縁用保護服を着用することなく検電作業を行なっていたことや、バイパスケーブルに通電していることを作業者が認知していなかったことが原因で起きた災害である。検電は配電設備が正常に稼働しているかを確認するために行うものなので、停電を前提に作業するべきではない。

このような事故を防ぐために、検電が済んでいない送電線などは通電している可能性があるので、事故が起きないような工夫を施した上で作業することや、電気工事を行う際には、関わる電気系統の状況をしっかりと認知した上で作業を行うことが重要である。

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一人親方あんしん労災 – 高圧活線を切断しようとして感電

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高圧活線を切断しようとして感電


発生状況

本件労働災害は、電柱に新しい変圧器を取り付け既設のものを撤去するという作業中に発生したもので、当時被災者は6000Vの高圧線から高圧引下線を切り離す作業を行なっていた。

被災者は他の作業員3名とともに午前10時頃作業を開始した。まず新しい変圧器を設置するための台を設け、その後被災者と同僚は従来からあった変圧器を取り外す作業を開始した。班長ともう1人の作業員は新しい変圧器の取り付けを担当し、変圧器の二次側と低圧線を接続させた段階で被災者らに伝えヒューズ管を入れ通電した。

班長は通電を確認しようと周囲の家屋を歩き回って確認し、被災者の同僚は高圧引下線を切り離す作業に取り掛かった。そして中央部にある高圧引火線を高圧本線から切り離し、次に家屋側にある高圧引火線の切断に移ろうとした。

この時同僚の作業がまだ完了していないにも関わらず、被災者は電柱に登り高圧引下線の下側をペンチで切断する作業を開始してしまい、活線に触れたため感電した。このとき被災者は検電器具等を用いた停電の確認を行なっておらず、短絡接地もしていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者が同僚の作業が完了したことを確認せずに自分の作業を開始してしまったことや、現場を見ていなければならない班長が歩き回っており作業する様子の確認を怠っていたことが挙げられる。

このような災害の対策として、作業指揮者である班長はいつでも指示を出せる状態でいることや、作業を開始する前に通電していないことを検電器具で確認し短絡接地を欠かさず行うことが重要である。

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一人親方あんしん労災 – トラッククレーンのブーム部が送電線に接近し、操縦者が感電

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トラッククレーンのブーム部が送電線に接近し、操縦者が感電


発生状況

本件労働災害は、積載型トラッククレーンのブーム部が送電線に接近し、放電して運転者が感電したものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者2名は、鉄骨造倉庫増設のためのコンクリート基礎工事を担っていた。まず、鋼単管を用いて型わくを作る作業にとりかかったところ、必要な単管が不足していることに気がついた。なので、被災者と作業者1名は積載型トラッククレーンを移動させ、空き地に置いてある単管を運ぶことにした。1人がワイヤロープで玉掛けを行い、被災者がクレーンを操縦して単管を巻き上げて旋回を行おうとしたところ、ブームが架空送電線に接近し、車体に交流33,000Vが放電してその電流で感電した。送電線には感電防止のための措置が施されていなかった。

原因・対策

本件労災は、クレーンのブームが送電線に接近する可能性があったにも関わらず、それに伴った適切な措置が行われていなかったことや、事前に単管の積み込みに関する作業計画が立てられていなかったために起きた災害である。

このような事故を防ぐために、送電線とクレーンのブームまたはワイヤロープ間に適切な距離を保つこと(特別高圧電線の場合は2m以上)や、あらかじめ作業計画を入念に作成し、電力会社との打ち合わせも十分に行うことが重要である。また、感電の危険性を十分周知した作業主任者を選任し、当該工事の監視をさせることも必要である。

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一人親方あんしん労災 – コンクリートポンプ車を操作中に感電

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コンクリートポンプ車を操作中に感電


発生状況

本件労働災害は、石油化学工場の受変電設備を増設する工事中に発生したものである。トランスを1基増設する工事で、前日にはトランスの基礎の型枠が設置されている状態であり災害発生当日はコンクリートの打設を行っていた。

工事には1段目の4.2m・2段目3.7m・3段目3.6mのブームを持ち、その最長延伸は11.4mとなるコンクリートポンプ車を使用することになっていた。コンクリートポンプ車とコンクリート打設箇所の間隔は約11mで、3mごとに鉄柱があった。また地上から約5m離れたところに高圧線があり、作業はこの高圧線をくぐってブームを伸ばし行うことになっていた。

ブームの先のホースが高圧線に触れないよう、作業は3人が監視しながら行われた。打設が完了した後ブームを折り畳もうとしたところで、3段目のブームを勢いよく上げてしまいあわてた作業員はブームの上昇を急停止させた。

これにより反動でホースが勢いよく跳ね上がり、高圧線に触れてしまった。ホースから伝わった電流はブーム→車体→アウトリガー→地面と流れたが、一部が車体を通じて操作レバーに流れ、レバーを握っていた被災者は感電した。

原因・対策

本件労災の原因は、通電させた状態でブームを折りたたんだことやホースを用いずブームで作業を行ったことなどが挙げられる。また接触を防ぐ囲いを設置するなどの対策がなされていなかったことも起因している。

このような災害の対策として安全に基づいた適切な作業方法を確認することや、感電を防ぐ措置の装置を徹底することが重要である。

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