1. ホーム
  2. 労災事例

建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

カテゴリー


一人親方あんしん労災 – クレーン車から木材12本が落下し、作業者に激突

一人親方あんしん労災 - 飛来、落下の労災事例

クレーン車から木材12本が落下し、作業者に激突


発生状況

本件労働災害は、木造3階建ての新築工事を行なっている際に、クレーン車で吊り上げた木材が落下し作業者1名に激突したものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者2名で、移動式のクレーン車を用いて木材12本を3階に吊り上げる作業を担っていた。1人はクレーン車の運転を行い、被災者は荷物の玉掛けを行った。そしてクレーン車で吊り上げを開始したが、3階の木材を置く予定だった場所が埋まっていたため、一度地上に置き直すこととなった。運転手はクレーン車を旋回し指定位置に移動しようとしたところ、吊っていた木材が落下して、地上にいた被災者に直撃した。

クレーン車の運転者は運転資格を有していたが、玉掛けを行なった被災者は無資格であったため、玉掛けの際に複数の木材を結束しておらず、バランスが取りづらい状況で吊り上げを行う形であった。

原因・対策

本件労災は、木材を結束せずに木材を吊ったことや玉掛けの知識が十分でないものが作業を行なったこと、そして吊り荷の下に作業者を立ち入らせたことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、バラものを吊り上げる際には正しい手順で結束をしてから玉掛けをすることである。また、玉掛けは資格所有者が行った上で、無資格の作業者に吊り荷の下には立ち入ってはいけないなどの安全教育を行うことも重要である。


一人親方あんしん労災 – アンローダの散水用ポンプが落下し、作業者に激突

一人親方あんしん労災 - 飛来、落下の労災事例

アンローダの散水用ポンプが落下し、作業者に激突


発生状況

本件労働災害は、港湾機械の1つであり、船から物資を陸揚げするために用いられるアンローダの撤去工事中に、散水用ポンプデッキが落下し作業者1名に激突したものである。

事故発生当日、二次下請けの作業者6名でアンローダに取り付けられている散水ポンプデッキの撤去作業を担っていた。この散水ポンプデッキは重量3.7トンで、設置されてから20年以上経過したものであり、海水によってかなり腐食していた。作業が進み、デッキを支える3本の梁のうち1本をガス切断したところで被災者は休憩を取るためにハシゴで地上に降りた。すると、デッキを支えていた2本の梁が折れてしまい、そのまま高さ4.7メートルから落下して被災者に激突した。また、このときデッキの上で作業をしていた作業者も被災した。

原因・対策

本件労災は当工事を行う際に腐食した梁の強度を確認することなく作業を進めたことや、元方事業者が具体的な作業手順を定める等の適切な指導を下請け事業者に講じていなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、重量物の撤去作業を行う際にはそれを支える梁等の点検を行い、それに伴った適切な落下防止措置を講じることが重要である。また、元方事業者は管理請負人に対して労働災害防止に配慮した作業手順を定め、適切な指導を行うことである。


一人親方あんしん労災 – ドラグ・ショベルの爪に掛けた吊り荷が落下

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

ドラグ・ショベルの爪にかけた吊り荷が落下


発生状況

本件労働災害は、資材置き場の整理と一部資材の運搬を行っている際に発生したものである。具体的にはパネル・看板・砂の置き場を整理し移動させるという作業で、元請け会社の現場監督と被災者を含む下請けの作業員2人が担当した。

現場監督は集合後すぐにその場を離れた。作業員2人はまず砂の運搬から行いはじめ、ドラグ・ショベルで2tトラックに砂を載せそのまま運搬するという方法をとった。これを数回繰り返し砂の運搬を終えた2人は、砂と同様の方法でコンパネの移送にうつった。

作業はコンパネ数十枚をワイヤーでくくる→アイスプライスに別のワイヤーで目通し掛けをする→アイスプライスをドラグ・ショベルの爪に掛けて吊る→2tトラックに積むという流れで行われた。

作業開始からしばらくしてコンパネ22枚をワイヤーで吊り荷台に載せようと旋回したところ、ワイヤーのアイスプライスがショベルの爪からはずれ被災者の頭に直撃した。被災者はコンパネの揺れを抑えるために吊り荷のすぐ近くにいた。

原因・対策

本件労災の原因は、ドラグ・ショベルの爪を本来とは異なる用途に使用したことや、現場監督の監視が行き届いていなかったことが起因している。また作業計画が安全に配慮されたものでなかったことも起因している。

このような災害の対策として、吊り荷の落下を防ぐためドラグ・ショベルの爪ではなく移動式クレーンを使うことや、現場監督がしっかりと指揮をとって作業を進行させることが重要である。また作業計画の段階で安全に配慮した適切なものにする必要がある。


一人親方あんしん労災 – 掘削溝に滑落する部材と衝突

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

掘削溝に滑落する部材と衝突


発生状況

本件労働災害は、電気回線工事における現場の埋戻し作業中に発生したものである。土止め支保工の解体や埋戻し作業が行われることとなり、現場の地盤の弱さから近隣住宅への影響を防ぐため鋼矢板を引き抜くのではなく切りばりと腹起こしを撤去し連結鋼矢板の下部は地面に残すことになった。

具体的にはGLから1.6m下で鋼矢板を水平に切断→鋼矢板4枚ごとに上部を残して垂直に切断→GLから0.4m下まで埋め戻し転圧→鋼矢板の上部を切断→移動式クレーンで切断した鋼矢板を回収という流れで行われる予定だった。

災害発生当時は、被災者と職長が鋼矢板を垂直に切断する作業を担当した。被災者は鋼矢板の上部を残す方法に疑問を感じ「全ての鋼矢板の上部を切断しても良いか」と職長に聞いたが、職長はこれを禁じた。

しかし被災者は独断で鋼矢板をすべて切断し、その結果鋼矢板は土圧で掘削溝の方へと動き、仮置きしていた覆工板4枚が溝に滑り落ちた。被災者は逃げ遅れ覆工板1枚と激突した。

原因・対策

本件労働災害は、現場の地質が軟弱であったにもかかわらず安全に配慮した作業手順を守らずに被災者の独断で作業を続行したことが挙げられる。また支保工の背面に仮置きした結果土圧に加えた加圧効果を与えてしまったことも起因している。

このような災害の対策として、作業員に対し正しい作業手順に基づいて動くよう指導を徹底することや、土止めの支保工の背面地山上には重量物を置かないことが重要である。


一人親方あんしん労災 – ヒューム管が落下し、作業者に激突

一人親方あんしん労災 - 飛来、落下の労災事例

ヒューム管が落下し、作業者に激突


発生状況

本件労働災害は、排水管の敷設工事中にバックホウ(ドラグ・ショベル)を用いてヒューム管をつり上げて旋回したところ、ワイヤーから外れて作業者1名の頭上に落下したものである。

事故発生当日、作業者6名でマンホール間の掘削溝にヒューム管を敷設する工事を担っていた。被災者を含む作業者3名は掘削溝に入ってヒューム管の設置を行い、残りの3名でバックホウの操縦と積荷の玉掛け、ゴムパッキンの取り付けを分担して作業を開始した。工事は順調に進み、5本のヒューム管の設置を終えたため、6本目に取り掛かった。手順通り、バックホウのバケットに付いたフックにワイヤーを通して玉掛けを行い、つり上げてからゴムパッキンを取り付けた。そして、掘削溝の方向へバックホウを旋回させてヒューム管を降下させようとした時、バケットのフックに掛けられていたワイヤーが外れてヒューム管が落下し、掘削溝で作業していた作業者1名に激突し、被災した。

原因・対策

本件労災は、ワイヤーのアイの先端が扁平していたためフックの外れ止めが正しく動作しなかったことやワイヤーが確実に取り付けられていることを確認せずにつり上げを行なったことが原因で起きた災害である。また、バックホウを操縦する際に合図を出す者を選任していなかったため、つり荷の落下可能性がある場所で作業を行なっている者がいたことも原因の一つである。

このような事故を防ぐために、フックの外れ止めに確実にワイヤーが通っていることを確認した上でつり上げを行い、バックホウの運転者に対して合図を出す者を選任した上で事故防止の措置を講じることが重要である。

カテゴリー