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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – ハチ刺されによる作業中断事例

一人親方あんしん労災 - 激突されの労災事例

ハチ刺されによる作業中断事例


発生状況

毎年夏頃、作業者がハチに刺されて作業を中断する事例が多く発生している。その事例を2つ以下に記す。

1つ目は10月中旬ごろ、鉄道沿線の土手の草刈り作業中に発生したものである。作業者3名はワイシャツに作業ズボン、安全靴を履き、ヘルメットも身につけていた。作業を開始してすぐに、草むらからスズメバチが飛んできて作業者3名を刺し、そのうちの1名はその場にうずくまってしまった。その被災者は失神状態になっていためすぐに救急車で搬送された。

2つ目は8月中旬ごろに発生したものである。道具小屋に工具を取りに行った被災者を、軒下にある巣から出てきたスズメバチが刺した。手の甲を刺された被災者は直ちにマイクロバスで病院に運ばれたが、移動中に手・足が痙攣し始め、意識がなくなってしまった。事故発生時の服装は、半袖に長袖の作業着、長靴を履きヘルメットを着用していた。

原因・対策

これらの労災は、ハチの巣を刺激してしまったことや露出のある服装で作業を行なっていたことが原因で起きた災害である。上記の事例の時期は共にハチの巣の防衛力が非常に強い時期であるため、少し刺激をするだけで働きバチが攻撃してくる可能性が高い。

これらのような事故を防ぐために、ハチの巣の所在があらかじめわかっている場合は、作業前に駆除してもらうことである。夏から秋にかけての時期は多くのハチが巣にいるため、業者等に依頼して駆除してもらうのが良い。ハチの巣の所在がわからない場合は、できるだけ肌の露出が少ない服装で作業を行うことが重要である。また、ハチは黒い物に攻撃性を示すことから、できるだけ明るい色を身にまとって作業することが望ましい。


一人親方あんしん労災 – 転落してきたダンプカーに激突

一人親方あんしん労災 - 激突されの労災事例

転落してきたダンプカーに激突


発生状況

本件労働災害は、排水管の敷設作業中に掘削溝にダンプカーが転落し、作業者1名に激突したものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者8名で、事前にバックホウ(ドラグ・ショベル)で掘削しておいた溝に250mの排水管を敷設する作業を担っていた。工事はバックホウでの掘削、ダンプカーでの残土運搬などに分担して行うものであり、被災者は他3名の作業者と溝に入り、ランマーを用いて配管敷設部分の床ならしの作業を行なっていた。

作業開始後、ダンプカーの運転手は残土を積み込むために掘削溝から約0.6メートルの位置にダンプカーを横付けし、ドラグショベルで積み込みを始めた。そして、荷台に6割ほど土を積み込んだ際に突然、掘削溝の路肩が崩壊してダンプカーはそのまま溝に転落してしまった。そのまま、溝の中で作業していた被災者は避けることができずに激突した。

原因・対策

本件労災は、ダンプカーを崩壊の危険がある掘削溝のすぐ傍に停車させて積荷を行なったことや、掘削溝に土止め支保工を設置するなどの地山の崩壊を防ぐ措置を講じていなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、車両系荷役運搬機を用いて作業を行う際には、転倒または転落により作業者に危険が生じないような適切な作業計画を作成することが重要である。また、やむを得ずそのような状況で工事を進める場合には、路肩の崩壊を防止するような対策を施すことも大切である。


一人親方あんしん労災 – バックホウのバケットの下敷きに

一人親方あんしん労災 - 激突されの労災事例

バックホウのバケットの下敷きに


発生状況

本件労働災害は、河川の急流により壊れたコンクリート護岸を撤去して新しいコンクリート護岸を設置する工事中に、作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)のバケットの下敷きになったものである。

事故発生当日、1日の工事を一通り終えたため、次回工事の準備を行なっていた。その次の日は休日で雨の予報であったため、被災者と作業者1名で2本の排水用水中ポンプを川岸に引き上げる作業を行うことになった。まず、作業者がバックホウを川岸にある掘削土が積み上げられた場所に移動させ、被災者がバケット部分とポンプをワイヤでつなぎ、バックホウを操作して引き上げるという工程であった。1本目は無事に引き上げ、2本目を引き上げようとした際、川岸から少し遠い位置にあったため、バックホウを先ほどより前進させて作業を行なっていた。すると、ポンプを引き上げようとしたときに、バックホウの前方部分の地盤が沈下して機体が傾き、バケットの下で作業をしていた被災者に激突した。

原因・対策

本件労災は、バックホウを軟弱な地盤である掘削土の上で作業させ、さらにクローラの一部がはみ出すほど前進して作業を行ったことや、バケットとその積荷に接触する可能性がある箇所に作業者を配置していたことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、事前に十分な地質調査を行った上で安全を確認し、地盤の沈下が起こる可能性がある場合は別の方法で作業を行うことである。また、車両系建設機械を用いてつり上げ作業を行う場合は、作業者の配置に十分な注意を払い、バケットや積荷が接触する箇所には作業者を立ち入らせないことも重要である。


一人親方あんしん労災 -トラクタショベルのバケットが激突

一人親方あんしん労災 - 激突されの労災事例

トラクタショベルのバケットが激突


発生状況

本件労働災害は、坂を登り切ったトラクタショベルが平坦な道に出るときに、バケットが降下して作業者に激突したものである。

事故発生当日、現場責任者と作業者4名で道路の舗装工事を行なっていた。まずトラクタショベルを坂の上の空き地に移動するため、運転手と誘導者を選任した。また、道路を傷つけないようにするために古タイヤを路面に敷く作業に被災者を指名した。運転手は誘導者の指示に従い、トラクタショベルを操縦し坂を登っていった。そして、平坦な道にクローラが差し掛かる直前、被災者は古タイヤをクローラの下に敷くためにトラクタショベルの前に入り込み、作業を行おうとした。しかし、トラクタショベルの運転手は作業者の動きを確認することができていなかったためそのまま平坦な道に乗り上げたところ、バケットが下がり被災者に激突した。

原因・対策

本件労災は、斜面を走行していたため車体の前方が上がり、それが影になって誘導者と作業者を確認できなかったことや、誘導者が作業者の動きを把握できていなかったことが原因で起きた災害である。また、現場責任者は、斜面を走行するトラクタショベルが危険なことを知っていたのにも関わらず、不慣れな作業員を誘導者として配置したことも要因の1つである。

このような事故を防ぐために、トラクタショベルなどクローラで移動する機械は斜面から平面に移動する際に運転者の死角が広がるため、それを考慮した事業計画を立てることが重要である。また、誘導者には建設機械の知識が豊富な作業者を指名し、常に運転手から見える位置で安全状況を伝えることが重要である。


一人親方あんしん労災 – 吊り上げ中の木材が激突

一人親方あんしん労災 – 激突されの労災事例

吊り上げ中の木材が激突


発生状況

本件労働災害は、家屋の資材にする目的で伐採した木材を山から運び出す作業中に発生したものである。現場は谷側の山道で40°ほどの傾斜があり、作業は被災者を含めて5人で行われていた。

作業は、ワイヤーロープを松の木にくくりつけ、チルホールで引く→伐採→枝払いを行う→木材の寸法を測り、玉切りする部分に印を入れる→ワイヤーロープを木材に掛け、山道に停めた車両積載形トラッククレーンに玉掛けする→木材が谷に落ちないようワイヤーロープを緊張させ玉切りを行う→クレーンで巻き上げ玉切り材を道に引き上げる→山道でもう一度玉掛けし荷台に積み込むという手順で行われた。

作業開始からしばらくして、玉切り材を引き上げている最中に木材が大きく横に揺れ動き、被災者に激突してしまった。災害発生当時、ワイヤロープは材の末口側に寄った位置に掛けられ、末口側が上、元口側が下にされた状態で引き上げられていた。

原因・対策

本件労災の原因は、木材の末口側が地上の障害物に当たったままの状態でワイヤロープを巻き上げ続けたことや、トラッククレーンを操作する場所からは吊り上げたときの様子を確認することができないにも関わらず、現場に監視する者がいなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、トラッククレーンで資材を吊り上げる場合は周囲の状況を把握し監視する担当の者をおく必要がある。またトラッククレーンを操作する際はその者の指示に従うことが重要である。

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