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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 後退するバックホウに轢かれる

一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例

後退するバックホウに轢かれる


発生状況

本件労働災害は、道路の新設工事において作業者1名がバックホウ(ドラグ・ショベル)に轢かれたものである。

事故発生当日、作業者8名で傾斜となっている法面を平坦にする作業を担っていた。前日までにバックホウを用いて傾斜部分の掘削と盛り土が終わっていたため、その日はその土を平坦にならす作業を行うこととなっていた。まず、バックホウの前進する際の推進力を利用して、排土板を押していき、土砂を推し進める作業に取り掛かった。この時、バックホウの操縦者以外の作業者は、重機の届かない箇所をスコップでならす作業を行なっていた。被災者もこの作業を担っており、バックホウの左後方部分の地面をならしていたところ、再度押し出しを行うために後退してきたバックホウの左側のクローラーベルトに轢かれて被災した。

なお、工事を開始する前に作業者でミーティングが行われており、バックホウの作業範囲へ立ち入ることは禁止することとなっていた。

原因・対策

本件労災は、車両系建設機械と作業者との間に接触防止措置を講じるなどの適切な作業計画が立てられていなかったことや、作業者に対して十分な安全教育を行なっていなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、バックホウ等の車両系建設機械を用いて作業を行うときは作業者を立ち入らせないような措置を講じることが重要である。また、その運行経路などの作業計画を定めて関係作業者に周知させることである。


一人親方あんしん労災 – 高所作業車のブームと梁に挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

高所作業車のブームと梁に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、鉄骨造家屋の工事中に高所作業車で移動していた際に発生したものである。当日は基礎工事、鉄骨組み立て工事は終了しており躯体工事に取り掛かる予定だった。それにあたり外壁の下地を取り付ける作業および下屋に墜落を防ぐための安全ネットを設置する作業が行われた。

現場には現場責任者、被災者とその同僚の3名がおり、被災者はネット設置を担当し外壁の下地を現場責任者と被災者の同僚で行うことになった。ネットは9×5mで、梁についたネットクランプに高所作業車で取り付けていくため被災者は梁の下から高所作業車で入り込み作業を行なった。

しかし作業開始からしばらくして、作業位置を移動するためにブームを下げずに約2m後進したところ上部の梁とバスケットに挟まれてしまった。このとき地盤は若干起伏があり、また責任者と同僚は別の場所におりなかなか気づくことができなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、高所作業車のブームが上がったままであったことや、地盤の起伏により後進時に車体が上に持ち上がったことが挙げられる。また高所作業車を使用した作業にも関わらず安全を確認する監視係がいなかったことも起因している。

このような災害の対策として、走行するときはブームを下げることや、地盤の状態を確認し安全に配慮した方法で移動することが重要である。また高所作業車などの危険な作業を伴う場合は監視役をつけ安全に配慮することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 作業者1名がダンプカーにひかれる

一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業者1名がダンプカーにひかれる


発生状況

本件労働災害は、高速道路の引き込み線の設置工事中に、作業者1名がダンプカーにひかれて被災したものである。

事故発生当日、高速道路の一番外側の車線を通行止めにして、引き込み線設置予定の箇所を整備するという工事を行なっていた。まず、道路に不要なくぼみがあったため、ダンプカーを用いて砂利を運びくぼみを埋める作業から開始した。被災者はそれに並行して前日に行われた工事の後片付けを任されていたため、道路に置いてあるブロックや周辺の清掃作業を開始した。しばらく作業が進んだ時、砂利の運搬を終えたダンプカーをバックで移動させていた際、運転手の死角で作業していた被災者が左後輪にひかれた。

ダンプカーは一般車両と反対の進行方向に進むことを禁止されていたため、バックで後退することとなっており、さらに周りの騒音で被災者はダンプカーのバックブザーが聞こえない状態だった。

原因・対策

本件労災は、ダンプカーの誘導者を配置することなく後退を行なったことや、騒音によりバックブザーが聞き取れない状況の中、被災者が運転手の死角で作業していたことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、ダンプカーを用いて作業を行う際は、他の作業者と接触することを避けるような作業計画をたて、誘導員を配置するなどの措置を講じることが重要である。また、作業者同士の連絡調整を十分に行うことも大切である。


一人親方あんしん労災 – 下降してきたカウンターウエイトと搬器の間に挟まれる

一人親方あんしん労災 - はさまれ、巻き込まれの労災事例

下降してきたカウンターウエイトと搬器の間に挟まれる


発生状況

本件労働災害は、エレベーターの設置工事中に作業者1名が搬器とカウンターウエイトに挟まれたものである。

事故発生当日、作業責任者と被災者の2名でエレベーターの配線等の機器を取り付ける工事を担っていた。しかし、急用により作業責任者が現場を離れなければいけなくなってしまったため、被災者が1人でレールブラケットの清掃作業をすることになった。被災者は、搬器内でうつ伏せになり上半身を乗り出した状態で、ポータブルコントローラを利用してエレベータを上昇させながら清掃を行なっていた。そして、3階付近に差し掛かったところで、上方から下降してきたカウンターウエイトと搬器の上に挟まれ、被災した。その後、同じ作業場にいた作業者1名が倒れている被災者を発見した。

本作業に使用したエレベーターは利便上、壁が設置されていなかった。被災者は作業にあたってヘルメットを着用し、安全靴を履いていた。

原因・対策

本件労災は、被災者が身を乗り出した状態でエレベーターを上昇させたことや、当日に作業の変更があったにも関わらず、十分な打ち合わせをしないまま経験の浅い作業員に作業を行わせたことが原因で起きた災害である。また、現場の安全管理体制が十分整っておらず、現場責任者任せの状態になっていたことも原因の1つである。

このような事故を防ぐために、エレベーターの昇降路で作業を行う場合は、体を外に乗り出した状態を保つこと等の安全作業標準を確立していくことが重要である。また、作業に取り掛かる際には必ず打ち合わせを行い、経験の浅い作業者には極力単独行動をさせないことである。


一人親方あんしん労災 – 修理中のベルトコンベアーが起動し挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

修理中のベルトコンベアーが起動し挟まれる


発生状況

本件労働災害は、幅1.1m・輸送能力90t /h・長さ14mのベルトコンベアを修理する作業中に発生したものである。事故現場の工場は24時間3直勤務で、ベルトコンベアの起動にはまず電気室で電源を入れその後操作室の起動スイッチを入れる必要があった。

作業を開始する前に電気室で左右2つのベルトコンベアの電源を切り、スイッチ部分に「点検中」と書いたテープを貼り付けた。その後被災者は数時間にわたり左側のベルト周辺に空いた穴を埋める作業を行い、しばらくして同じベルトのキャリアローラの交換作業に移った。

このとき右側のベルトコンベアーに関しては起動させても作業に支障が出ないため、その場にいた作業員は電話で操作室にいる同僚に「右のベルトは動かして良い」と伝えた。このときちょうど交代時刻だった同僚は引き継ぎにきた作業員に「右は動かして構わない」と伝え操作室を退室した。

引き継いだ作業員は電気室にいる別の作業者に右のベルトコンベアーの電源を入れるよう伝え、右のベルトは起動された。しかし電気室の作業員は左のベルトコンベアーも点検を終了させたと誤解し、テープが貼られているにも関わらず独断で電源を入れた。

これにより操作室にいた作業員も左のベルトコンベアーのスイッチを入れてしまい、ベルトの間に体を入れてキャリアローラの交換をしていた被災者は動き出したベルトコンベヤーのベルトとテールプーリーの間に挟まれた。

原因・対策

本件労災の原因は、修理が終了していないにも関わらず独断でベルトコンベアーを起動させたことや、引き継ぎとして左のベルトコンベアーは作業中であることを伝えていなかったことなどが挙げられる。

このような災害の対策として、作業を交代するときには引き継ぎとして現場の様子を詳細に報告することが重要である。

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