一人親方あんしん労災 – 路肩が崩壊し、不整地運搬車が転落
一人親方あんしん労災 - 転倒の労災事例
路肩が崩壊し、不整地運搬車が転落
発生状況
本件労働災害は、仮設道路を不整地運搬車で移動していた際に、路肩が崩壊してバランスを崩し、転落したものである。
事故発生当日、被災者を含む作業者2名は危険予知活動を終えた後、ガス溶接機材を運搬する作業に取り掛かった。その際、最大積載量2.2トンの不整地運搬車を使用し、被災者はその運転手を担っていた。移動を行う仮設道路は地上からの高さが3.4メートル、幅が4メートルであり、盛土をバックホウでならしただけの道だった。この仮設道路を運転し始めてすぐ、前方にミニバックホウが停められていたため、被災者は左側の路肩に寄って避けようとした。すると路肩部分が崩れて、不整地運搬車は転落し、被災者は地面に投げ出された。
なお、被災者は不整地運搬車の運転資格は所有しておらず、仮設道路の路肩部分にはガードレール等の転落防止措置は講じられていなかった。
原因・対策
本件労災は、被災者が当該車両の運転資格を所有していないにも関わらず、盛土の締め固めが十分でない仮設道路の路肩に寄りすぎたことや、ガードレールを設置するなどの転落防止措置を行うといったような適切な作業計画が立てられていなかったことが原因で起きた災害である。
このような事故を防ぐために、不整地運搬車を用いて作業を行うときは転落防止の措置を講じるなど、適切な作業計画を定めた上で、資格を有するものが操作することが重要である。
掲載日:2019年9月19日