一人親方あんしん労災 – 高圧活線を切断しようとして感電

一人親方あんしん労災 – 感電の労災事例

高圧活線を切断しようとして感電


発生状況

本件労働災害は、電柱に新しい変圧器を取り付け既設のものを撤去するという作業中に発生したもので、当時被災者は6000Vの高圧線から高圧引下線を切り離す作業を行なっていた。

被災者は他の作業員3名とともに午前10時頃作業を開始した。まず新しい変圧器を設置するための台を設け、その後被災者と同僚は従来からあった変圧器を取り外す作業を開始した。班長ともう1人の作業員は新しい変圧器の取り付けを担当し、変圧器の二次側と低圧線を接続させた段階で被災者らに伝えヒューズ管を入れ通電した。

班長は通電を確認しようと周囲の家屋を歩き回って確認し、被災者の同僚は高圧引下線を切り離す作業に取り掛かった。そして中央部にある高圧引火線を高圧本線から切り離し、次に家屋側にある高圧引火線の切断に移ろうとした。

この時同僚の作業がまだ完了していないにも関わらず、被災者は電柱に登り高圧引下線の下側をペンチで切断する作業を開始してしまい、活線に触れたため感電した。このとき被災者は検電器具等を用いた停電の確認を行なっておらず、短絡接地もしていなかった。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者が同僚の作業が完了したことを確認せずに自分の作業を開始してしまったことや、現場を見ていなければならない班長が歩き回っており作業する様子の確認を怠っていたことが挙げられる。

このような災害の対策として、作業指揮者である班長はいつでも指示を出せる状態でいることや、作業を開始する前に通電していないことを検電器具で確認し短絡接地を欠かさず行うことが重要である。