一人親方あんしん労災 – 検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電

一人親方あんしん労災 - 感電の労災事例

検電作業中にバイパスケーブルに触れ、感電


発生状況

本件労働災害は、変電設備のメンテナンス作業中に、作業者1名がバイパスケーブルに触れ、感電したものである。

事故発生当日、現場責任者を含めた作業者3名でキュービクルのメンテナンス作業を担っていた。本キュービクル内には、電源の断路器以外にもバイパスケーブル等の配線も接続されていた。

作業はまず断路器の電源を切り、検電器で停電を確認してから点検・清掃等のメンテナンスを行うものであり、バイパスケーブルは通常停電状態なので、普段からほとんど気にとめることなく作業が行われていた。しかし、事故発生の数日前に起きた電気系統の故障により、その日はバイパスケーブルに電流が流れていた。そのことを知らなかった被災者1名がいつも通り点検を行おうとしたところ、6600Vもの電圧がかかるバイパスケーブルに触れてしまい、感電したものである。

原因・対策

本件労災は、絶縁用保護服を着用することなく検電作業を行なっていたことや、バイパスケーブルに通電していることを作業者が認知していなかったことが原因で起きた災害である。検電は配電設備が正常に稼働しているかを確認するために行うものなので、停電を前提に作業するべきではない。

このような事故を防ぐために、検電が済んでいない送電線などは通電している可能性があるので、事故が起きないような工夫を施した上で作業することや、電気工事を行う際には、関わる電気系統の状況をしっかりと認知した上で作業を行うことが重要である。