一人親方あんしん労災 – ホイストクレーン上で点検中に転落

一人親方あんしん労災 – 墜落、転落の労災事例

ホイストクレーン上で点検中に転落


発生状況

本件労働災害は、製鉄工場で電気設備の修理工事をしている最中に発生したものである。具体的には圧延工場にある4000tプレス付属ホイストクレーン20tつりの巻下げに不良がみられるというもので、作業は被災者が行い他の作業員3人が立ち合って行われる予定だった。

被災者は操作用ペンダントスイッチを解体し断線があるかどうか確かめ、その後ホイストの配電盤を確認した。このとき立ち合うはずの3人のうち2人は別の作業のため現場を離れており、被災者がホイストクレーンのランウェイ山側に設置されているターミナルボックスの点検を始めた時にはもう1人も他の作業の手伝いをしていた。

このとき被災者の事務所の親会社に所属する熱処理担当の作業員がゴミ処理にあたっており、ゴミバケットをクレーンに積もうとしたものの山側の天井走行クレーンの吊具ではうまくいかず、4000tプレスの40mほどで海側にあった天井走行クレーンを用いて山側に走行した。

しかしクレーンが4000tプレスを通過した頃、ホイストクレーンのガーダ上で作業中だった被災者はクレーンに押し出されてしまい墜落した。

原因・対策

本件労災の原因は、墜落を防ぐ安全帯を着用していなかったことや、ホイストクレーンの上で点検作業をするにあたって付近にあるクレーンと接触する事故を避ける措置をとっていなかったことが挙げられる。

このような災害を防ぐため、手すりのない高所で作業する場合は必ず安全帯を使用することや、看板や監視員などクレーンとの接近を防止する対策を講ずることが重要である。