一人親方あんしん労災 – 練炭養生による一酸化炭素中毒

一人親方あんしん労災 - 有害物質との接触の労災事例

練炭養生による一酸化炭素中毒


発生状況

本件労働災害は地下防火水槽の打設中に作業者2名が一酸化炭素中毒になったものである。

その作業日はコンクリート製の地下防火水槽の打設はほとんど終了していたため、被災者2名で練炭養生を行うこととなっていた。まず、5つのコンロの中にそれぞれ2つずつ練炭をいれ、それらに火をつけて槽内に設置した。そして、内部を密閉してそのまま放置し、内部で一酸化炭素を多く発生させ、養生を行った。

2日後、内部の状況を確認するために、被災者2人は槽内に入って行った。すると、2人はすぐに頭痛と目眩を覚えたため外に脱出することを試みたが、1人は倒れたまま槽内に取り残されてしまった。脱出に成功した被災者はすぐに救急車を呼び、倒れた被災者を救出して病院で検査をしたところ、一酸化炭素中毒と診断された。

原因・対策

本件労災は、一酸化炭素を発生させた密閉空間に入る際に濃度測定や換気、呼吸保護具等の使用をしなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、練炭燃焼ガスに一酸化炭素が含まれているものを使用する際には、その危険度を従業員に周知させ、適切な処置を施した上で作業を進めることが重要である。また、今回のような練炭による一酸化炭素中毒の事例は数多くあるため、元請け事業者はこれらの安全教育をより徹底することである。