一人親方あんしん労災 – 道路整理作業中をしていた作業者が熱中症に

一人親方あんしん労災 - 高温・低温の物との接触の労災事例

道路整理作業中をしていた作業者が熱中症に


発生状況

本件労働災害は、気温が高い日に道路整理を行なっていた作業者1名が、意識を失って倒れたものである。

事故発生当日、被災者が所属する下請け事業者は高速道路のサービスエリア内のレストランを解体する作業を担っていた。被災者は前日までの仕事の疲労が蓄積していたことから、出勤した時点で体調が優れていなかったため、所長は帰宅するように指示したが、道路整理ならばできると志願し、それを行うこととなった。他の作業者ははつり作業を開始し、被災者は旗を持って道路整理に従事した。

すると午後3時ごろ、被災者は突然フラフラとその場に座り込んで意識を失ってしまった。所長はすぐに日陰に移動させて救急車を呼び、水分補給をさせた。なお、当日は気温38.0度、湿度が72%であり、アスファルトからの照り返しもあったため被災者の作業箇所の気温は40度に達していたことが予想される。

原因・対策

本件労災は、作業内容を変更したとはいえ、体調の優れない作業者が高温・多湿場所での作業を担ったこと、適切なタイミングで休憩・水分補給をとらせなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、作業前に作業者の健康状態を確認し、以上がある場合は即座に休養を取らせることが重要である。また、作業現場が高温多湿の場合は適度に休憩をとるなどして作業時間を調整し、日陰の休憩場所を設けるなどの工夫をすることである。