一人親方あんしん労災 – コンクリートの打設作業中に熱中症に

一人親方あんしん労災 - 高温・低温の物との接触の労災事例

コンクリートの打設作業中に熱中症に


発生状況

本件労働災害は、住宅新築工事のコンクリート打設作業中に、作業者1名が熱中症で倒れたものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者3名で型枠を組立てた後にコンクリートを流し込む作業を行うこととなっており、被災者はコンクリートをならす作業を担っていた。作業を開始して6時間が経過した頃、1人の作業者が人力車でコンクリートを運んでくると、被災者が型枠に座っているところを発見した。声をかけたところ反応はなく、そのまま仰向けに横たわってしまったため、急いで日傘で日陰を作り、氷水で頭部を冷やしたりした。その後救急車で病院に搬送され、検査を受けたところ熱中症と診断された。

その日は快晴で気温が35.6度、相対湿度が50%と非常に暑い日であり、作業現場には日差しを避ける日陰などは用意されていなかった。被災者は適度に水分補給を行なっていたが、塩分等の補給はしておらず、ヘルメットも被っていなかった。

原因・対策

本件労災は、日差しが強く、高温多湿であるにも関わらず直射日光を避けるような設備が整っておらず、なおかつヘルメットを着用していなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、熱中症を引き起こす可能性の高い作業現場では、ヘルメットの着用を徹底し、日陰の休憩場所を設置するなどの作業者が適宜休憩できるような措置を施すことが重要である。また適度な水分補給を行ったり、高温多湿の日には作業量を減らすなどの適切な作業計画を立てることである。