一人親方あんしん労災 – 型枠解体作業で水槽に立ち入った作業者が一酸化炭素中毒に

一人親方あんしん労災 - 有害物質等との接触の労災事例

型枠解体作業で水槽に立ち入った作業者が一酸化炭素中毒に


発生状況

本件労働災害は、練炭を用いたコンクリート打設の際に、作業者3名が一酸化炭素中毒になったものである。

事故は防火水槽の新設工事におけるコンクリート打設から型枠解体作業に転じる際に発生した。コンクリート打設は水槽を掘った後にコンクリートを敷き詰めて固めるものであったが、現場は寒冷地であったため十分な保温養生をする必要があった。そのため、内部で練炭を燃焼させてビニールシートで蓋をし、放置することとなっていた。

養生開始から1週間後、型枠解体作業を行う別の事業者が現場に到着し、1人の作業者が水槽内部に入っていったところ、すぐにその場に倒れてしまった。その後、2人の作業者は救出に向かったが同じようにうずくまってしまい、3名は救急車で病院に搬送された。検査結果は一酸化炭素中毒とのことだった。

なお、コンクリート打設と型枠解体は別の事業者が請け負っており、練炭を用いて養生を行っていることを引き継ぐことなく作業を開始していた。また、換気装置は使用しておらず、被災者は呼吸用保護具も身につけていなかった。

原因・対策

本件労災は、水槽内部で練炭が不完全燃焼しているにもかかわらず、いきなり作業者が立ち入ったことが原因で起きた災害である。一酸化炭素濃度の測定や十分な換気、呼吸用保護具の着用をしていなかった。

このような事故を防ぐために、練炭などの燃焼ガスの中に一酸化炭素が含まれる場合には、関係者全員にその危険性を周知させ、適切な作業計画を立てることが重要である。また、水槽内に立ち入る際には十分な換気と一酸化炭素の濃度測定を行い、必要であれば呼吸用保護具を使用するなどの対策を講じることである。