一人親方あんしん労災 – 体育館の新築工事中、作業者1名が熱射病に

一人親方あんしん労災 - 高温・低温の物との接触の労災事例

体育館の新築工事中、作業者1名が熱射病に


発生状況

本件労働災害は、体育館の新築工事において土砂をスコップで集める作業を担っていた作業者1名が、熱射病で倒れたものである。

事故発生当日、被災者を含む作業者2名で体育館外部の犬走りを埋め戻す作業を担っていた。被災者はバックホウで土砂を運ぶためにスコップでかき集める作業を行うこととなっており、もう1人の作業者がバックホウを操縦した。その日は快晴で気温が37.2度、湿度62%と非常に暑い日であり、現場には直射日光を遮るものは設けられていなかった。

昼休憩を挟み作業を再開してから2時間経過すると、被災者がフラフラし始めてその後すぐにその場に倒れてしまったため、急いで病院に搬送した。なお、被災者はその前日まで体調不良で1ヶ月休業しており、作業開始前に健康状態の確認を行っていなかった。

原因・対策

本件労災は、作業関係者が熱射病の危険性についての認識が十分でなかったため、日陰を設けることや適度な休憩を挟む等の作業計画が立てられていなかったことが原因で起きた災害である。また、長期休業をしていた被災者に対して健康状態の確認をすることなく、炎天下での作業を任せた点も原因の1つである。

このような事故を防ぐために、直射日光を遮るものがない時は簡易的な日陰を設けたり、水分・塩分を補給できるような環境を整備することが重要である。また、特に炎天下での作業前には作業者の健康状態を確認し、作業中も適宜声かけを行って、必要であれば休憩を挟むなどの工夫も大切である。