一人親方あんしん労災 – 伐倒した木にかかっていた風倒木が倒れ、岩石が落下して被災者に激突する災害

一人親方あんしん労災 – 飛来、落下の労災事例

伐倒した木にかかっていた風倒木が倒れ、岩石が落下して被災者に激突する災害


発生状況

当社が山林所有者から請負契約で作業をした風倒木処理工事現場は二カ所あり、初めの工事現場は約10日間で工事を終了させ、翌日から災害の発生した現場での工事を開始しました、災害が発生したのは、作業開始当日で、当日の工事は、被災した者を含め5名の作業員が、チェンソーを使って、被害木の伐倒作業を開始した。

午前中の作業が終了し、お昼の休憩を1時間取り、午後の作業に入った被災者は傾斜約40度の、急傾斜地で作業中にかかり木になっている杉の処理作業を1人で始めたが、その後災害の発生したと思われる時間まで、1人で作業していたため事故の目撃者がいないため推測になるが、被災者は、かかり木(A)をそのままにして、杉のかかられ木(B)を伐倒したところ、根株の浮いていたかかり木(A)も作業中に一緒に倒れたと思われます。

この作業中に、かかり木(A)の根が食い込んでいた根株附近の岩を引張り、そのため動いた数個の岩石が傾斜を落下し被災者に激突したと思われる。落石に気が付いた他の作業員が、現場を確認したところ、倒れている被災者を発見した。保護帽のヘルメットは近くに転がっており、チェンソーは、エンジンがかかったまま被災者の足元にあった。

原因・対策

災害が発生した原因は、かかり木の状態と被害木の処理方法としてかかられ木を先に伐倒してしまったことで、伐倒木と共にかかり木も倒れてしまい、かかり木の根が岩を引張ってしまい岩石が傾斜を勢いよく落下して被災者に激突したと思われる。

対策は安全を考えた作業をすることを最優先にして、かかられ木を先に伐倒しないことと、けん引具(チルホール等)を用いて木を起したまま、重心の位置を確認しながら、安全を最優先にした、適切な伐倒方向を選択した後に、伐倒するか又は引き倒すことをする。また、作業を開始前に、作業指揮者を中心に事前に被害木の状況及び周囲の環境を良く見極めるとともに、安全を最優先した作業手順を選定するとともに作業に当たるようにすること。