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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – 作業者1名がバックホウのサイドガラス窓枠とブームに挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

作業者1名がバックホウのサイドガラス窓枠とブームに挟まれる


発生状況

本件労働災害は、バックホウ(ドラグ・ショベル)のブームとサイドガラスの窓枠に挟まれて被災したものである。

事故発生当日の工事は順調に終わったため、被災者はトラックを所定の位置に運転した後、バックホウを片付ける作業を始めた。その日使用したバックホウはサイドガラスが破損してガラスが無い状態だった。被災者は移動作業をしている途中、先ほど駐車したトラックのサイドミラーと接触しそうになったため、ミラーを倒すためにバックホウのサイドガラス窓枠から身を乗り出した。すると足がブーム操作レバーにぶつかってブームが降下し、そのまま窓枠の間に挟まれ被災した。

なお、このバックホウは窓ガラスの破損を指摘されていたが、修理されずに工事に使用されていた。また、被災者が指示されていたのはトラックの移動作業のみあり、バックホウの運転は他の作業者が担当していた。

原因・対策

本件労災は、サイドガラスが破損した状態のバックホウを使用したことと、ブーム操作用レバーをロックせずに運転以外の作業を行ったことが原因で起きた災害である。また、バックホウの運転資格がないにも関わらず、被災者が独断で操縦したことも要因の1つである。

このような事故を防ぐためには、特定自主検査で修理が指示されている機械は修理が終わってから使用することにくわえ、建設機械を操縦中に運転以外の作業を行う際はエンジンを停止し、機械から降りてから行うことが重要である。また、使用しない各種装置は備え付けのロック機能を有効に使用し、それらを知らない無資格者には操縦させないことである。


一人親方あんしん労災 – 誘導者がドラグ・ショベルのブームに挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

誘導者がドラグ・ショベルのブームに挟まれる


発生状況

本件労働災害は、覆道の建設作業中に発生したものである。前日までに覆道は完成しており、当日は山側の掘削面と覆道外壁面の間部分の土砂を埋め戻し、土止め支保工を解体する作業が行われていた。

埋め戻しにはドラグ・ショベルを、解体にはトラッククレーンを用いることになっていたが、近接作業を防ぐため中央で2つのエリアに分けて作業を行うことにした。被災者はドラグ・ショベルの誘導を担当していた。

被災者は覆道の上に移動し、手と笛で合図を送ることにした。作業開始から3時間後、バケットをあげるように合図した後「一旦停止」、「旋回」を指示し、埋め戻し場所に到着したため「停止」の合図を出した。

この時運転手から被災者の姿が見えなくなり、特に指示がないため運転手は埋め戻し用の土を落とすためバケットを動かし始めた。その後バケットを戻そうとすると、周囲で叫び声が聞こえたため運転席を降りたところ被災者が覆道壁とドラグ・ショベルのブームの間に挟まっていることを確認した。

原因・対策

本件労災の原因は、運転手が被災者の指示を待たず独断で作業を続行したことと、被災者がドラグ・ショベルの可動範囲内に入ってしまったことが挙げられる。またトラッククレーンが近くで作業していたため、被災者の笛の音が運転手にはほとんど聞こえていなかったことも起因している。

このような災害の対策として、合図が確認できないときには運転操作をすぐにやめることや、重機を誘導する際には可動範囲から外れた安全な場所で行うことなどが挙げられる。さらに合図の方法は作業場所の状況を踏まえた上で話し合うことが重要である。


一人親方あんしん労災 – 原動機付きスクレイパーの修理中、落下したエプロンが作業者に激突

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

原動機付きスクレイパーの修理中、落下したエプロンが作業者に激突


発生状況

本件労働災害は、原動機付きスクレイパーを修理中にエプロンが落下して作業者1名が被災したものである。

事故現場には故障した部品の予備がなかったため、他の原因で故障していた同型機から部品を転用することとした。同型機をクレーンでつり上げ、定位置まで上がったらピンで固定し、エプロンシリンダーを取り外して交換を行うといった手順で作業を行おうとした。

事故は被災者がエプロンの固定ピンを差し込む作業を行った直後に発生した。被災者は定位置までつり上げられたことを確認し固定ピンを差し込もうとしたところ、ピンの差し込み部分とは逆のハンドル部分を間違えて差し込んだ。

つり上げ用ワイヤを緩めたところ、エプロンは動かなかったため固定されているものと思っていたが、重さに耐えきれなくなった固定ピンが壊れエプロンが落下。被災者に激突し跳ね飛ばされ、車体とエプロンアームに挟まれたのである。

原因・対策

本件労災は、固定ピンの間違った部分を差し込んだためにエプロンを固定するための強度が不十分だったことが原因で起きた災害である。使用した固定ピンは、ハンドル部分と差し込み部分が明確に区別されていなかった。また、作業台を使用せずにエプロンの修理作業をしたことも重要な原因である。

このような事故を防ぐために、固定ピンはハンドル部分と差し込み部分の構造を明確に区別し、正しく使用することである。また、今回のように落下する可能性がある作業においては作業台をしっかりと使用することも大切である。


一人親方あんしん労災 – プレス機の修理中に部品が外れ挟まれる

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

プレス機の修理中に部品が外れ挟まれる


発生状況

本件労働災害は、油圧による金属プレス機の修理を行なっているときに部品の一部が外れてしまい被災者が挟まれたものである。

このプレス機はピットにスクラップを入れて蓋をし、圧縮ブロックを平行に移動させることでスクラップを棒状にした後、刃物で立方体に切断するという流れで処理を行うものだった。油圧系統のフィルターにパッキンのかけらが付着するようになったため、修理することになった。

災害発生当日はロッドシールのパッキンを取り替える予定であった。そのためにはおよそ100kgのロッドシールをシリンダーから外す必要があったため、作業員3名で16本のボルトを取り始めた。ところがボルトの最後の1本を緩めたときに、ロッドシールから油が流れ出しそのままシール部分が落下した。被災者はフレーム等に囲まれていたため逃げることができず、シール部分に激突された。

原因・対策

本件労災は、前日に行ったピストン部分のパッキン交換の際に、シリンダーとロッドの間に油が入り込んだことに気づかず、知らぬ間にロッドの重みで油、シールに負荷がかかっていたことが原因として挙げられる。

このような災害の対策として、落下する可能性があるものには必ず安全ブロックを使用すること、また油圧や空気圧の残圧で機械が作動してしまうことを防ぐため、必ず残圧は解放することが挙げられる。さらに危険が発生した場合に備え、すぐに逃げられるほどの十分なスペースを確保することと、異常時の対策を事前に考えておくことも重要である。


一人親方あんしん労災 – ダンプカーの故障で降下した荷台の下敷きに

一人親方あんしん労災 – はさまれ、巻き込まれの労災事例

ダンプカーの故障で降下した荷台の下敷きに


発生状況

本件労働災害は家屋建設の現場で、ダンプカーの荷台を傾けながら積載された土砂を降ろし、運搬用の一輪車で工事現場まで持ち込むという作業中に発生したものである。

ダンプカーの荷台の上にいた被災者は、荷台を上昇・降下させる油圧装置が故障していることに気づき、使用していた部材を挟んで支えにしようと荷台と車体の間に入り込んだ。この時故障が原因で少しずつ荷台が降下していたが、被災者は気づいていなかった。

別の作業員が一輪車を押してダンプカーの前まで来た時には、荷台は完全に下がりきっていた。作業員は被災者が荷台の上にいなかったことから自ら車両を操作し荷台を上昇させた。すると上に積んでいた土砂の落ちる音がしたため、慌てて元の位置に戻した。その後、被災者が荷台の下敷きになっているのを発見した。

事故後の調査によると使用していたダンプカーは故障が原因で、荷台が5分間でおよそ1m降下してしまうものであったことが判明した。

原因・対策

本件労災の原因は、故障したダンプカーを使って作業したことと、荷台の下に入るときに安全ブロックを取り付けなかったことが挙げられる。また、現場の広さを鑑みずに大きな重機を用いたことで、荷台を傾けながら土砂を運ぶといった作業方法になってしまったことも起因している。

このような災害の対策として、重機を使う前に必ず点検し故障に気づいたら直ちに使用を中止すること、作業計画を立てるときは無理なく作業員の安全を確保した方法をとることが挙げられる。

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