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建築/建設業界の労災事例

本サイトで紹介している労災事例は、実際にあった労災事故を掲載しておりますが、当協会によせられた労災事例ではありません。予めご了承ください。

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一人親方あんしん労災 – ガスの配管工事中に酸欠に

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

ガスの配管工事中に酸欠に


発生状況

本件労働災害は、ガス管を設置する工事中に発生したものである。本工事はプロパンガスを使用する個人住宅に、建物から少し離れたボンベ置き場から道路に沿った管を通してガスの供給管と接続するというものであった。

被災者は元請けから配管工事が実施可能であるという連絡を受け一人で作業現場に向かった。この時元請けの作業員は現場に同行することなく他の場所で作業を行なっていた。

その後被災者は1人で作業をし続けたものの、2時間が経過した頃元請けの作業員が様子を見に行くと被災者は家屋の床下で意識を失っていた。

このとき被災者の作業場所である家屋は強いガス臭があり、その後の調査で供給管との継手の部分からプロパンガスが漏れていたことが確認され、継手を掴むと接続部分が抜けてしまう状態であったことが明らかとなった。

このことから被災者は配管工事中に継手の不具合に気づき、修理しようとしたところ酸素欠乏症となったた可能性が考えられる。

原因・対策

本件労災の原因は、ガスが通った状態のまま作業を行ったことや、作業現場が十分に換気されていなかったことなどが挙げられる。また下請けの作業員が1人で配管工事を行っていたことも起因している。

このような災害の対策として、ガス管を扱う工事では必ず換気を十分に行うことや、作業を開始する前に工具、継手の確認を徹底することが重要である。さらに作業規定に定められているようにガスの配管工事は2名で行う必要がある。


一人親方あんしん労災 – 塗装作業中に有機溶剤中毒に

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

塗装作業中に有機溶剤中毒に


発生状況

本件労働災害は、住宅の塗装工事を行なっている際に発生したものである。事故の発生した案件は一般住宅3軒の外壁と浴室を塗装するもので、事故発生時は作業の5日目にあたり浴室の天井を塗装している際に発生した。

作業は6人で行われ、浴室の塗装には下塗りとして水性塗料を使用し、上塗りには第二種有機溶剤であるトルエン(30~40%)キシレン(10%程度)酢酸エチル(10~20%)等を含有した塗料を使用することになった。

この時可搬式換気装置は使用せず、自然換気のみで作業を行う計画であった。また呼吸用保護具も作業現場に持ち込んでいなかった。

作業開始から1時間後、被災者は換気が十分にできていない場所で作業をしていたため職長は浴室の窓を開け換気しながら作業を行うよう被災者に指示した。しかし被災者は指示に従うことなく、2軒目の塗装作業も窓の換気をせずに行なった。

午後2時ごろ、同僚が被災者の様子を確認しに現場に立ち入ると強烈な有機溶剤の臭いがした。慌てて被災者に浴室から出るよう声をかけたが、作業がもう少しで終わるという状態だったため被災者は作業を続行した。するとその後すぐに被災者は意識を失い、有機溶剤中毒となった。

原因・対策

本件労災の原因は、被災者の換気に対する認識が甘かったことや、被災者を含めた現場の作業員が呼吸用保護具や排気装置を使用していなかったことが挙げられる。

このような災害の対策として、換気が必要な有機溶剤を扱う際には対策を怠らず、中毒にならないよう細心の注意することが重要である。


一人親方あんしん労災 – 作業者1名が気泡分離器内で酸欠

一人親方あんしん労災 - 有害物質との接触の労災事例

作業者1名が気泡分離器内で酸欠


発生状況

本件労働災害は、食品工場の直径7.7メートルのタンクの中に、直径1.2メートルの気泡分離器を設置する際に作業者1名が酸欠になったものである。

事故発生当日、酸素欠乏危険作業主任者と被災者の2名で、気泡分離器をアルゴン溶接する作業を担っていた。作業主任者はタンク内の換気を行うためにブロアを設置し、酸素濃度を測定したところ、基準値を満たしていることを確認した。そしてタンクと気泡分離器を溶接するため、配管部分にアルゴンガスを満たしグラスウールで栓をした。溶接作業が進み、被災者が気泡分離器内に降り、栓を外そうとしたところ酸欠を起こし、そのまま倒れた。なお、この直前に酸素濃度の測定は行なっておらず、呼吸用保護服も使用していなかった。

原因・対策

本件労災は、アルゴン溶接終了後に気泡分離器内部の換気が不十分な状態(タンク全体の換気は行なっていた)で、酸素濃度を計測することなく作業者を入らせたことや、タンク内で作業を行う者に対しての酸素欠乏症に関する特別教育を行なっていなかったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐために、不活性ガスを用いた作業を行う際は、十分な換気を施したうえでその中の酸素濃度を確認し、安全を確認することが重要である。また、このような状況で作業を行う者に対して十分な酸素欠乏に関しての特別教育を行うことである。


一人親方あんしん労災 – アルゴンガスを用いた溶接作業で酸欠に

一人親方あんしん労災 – 有害物等との接触の労災事例

アルゴンガスを用いた溶接作業で酸欠に


発生状況

本件労働災害は、食品工場の下請け事業所の作業員としてタンクの改造工事を行なっている際に発生したものである。具体的な作業内容は直径8.1mの発酵タンクに気泡分離器(ステンレス製)を設置するというものであった。

現場には酸素欠乏危険作業主任者がおり、作業前にタンク内の酸素濃度を測定し21%であったことを確認していた。その後被災者と2人で気泡分離器にある配管をアルゴン溶接する作業に取り掛かった。

溶接準備のため1つの配管内にはアルゴンガスを満たし、他の2つの配管にはグラスウールを入れた。この時タンク内はブロアで換気した状態で、作業員2人は呼吸用保護具を着用せず気泡分離器内の酸素濃度も測定していなかった。

その後しばらくしてアルゴンガスを配管内に通し、溶接作業を開始した。配管内に800ℓ、溶接作業で500ℓのアルゴンガスを使用し溶接作業を完了させたのち、昼休憩を挟んでグラスウールの撤去をするため被災者が1人で気泡分離器に入った。

時間が経過しても被災者が戻ってこないので気泡分離器を確認すると、被災者は酸素欠乏症になっていた。グラスウール撤去の際も酸素濃度の測定はしておらず、呼吸用保護具も未着用であった。

原因・対策

本件労災の原因は、タンク内のみ換気を行い気泡分離器内は換気していなかったことや、作業場所の酸素濃度測定が十分されていなかったことが挙げられる。また酸素欠乏症になる危険がある現場で呼吸用保護具を着用していなかったことも起因している。

このような災害の対策として、現場の安全を確保するため酸素濃度の測定を徹底することや換気を怠らないことが重要である。また酸素欠乏の危険がある現場では呼吸用保護具の着用も必須である。


一人親方あんしん労災 – ガスを吸い込み酸素欠乏症に

一人親方あんしん労災 - 有害物質との接触の労災事例

ガスを吸い込み酸素欠乏症に


発生状況

本件労働災害は道路の歩道部をバックホウ(ドラグ・ショベル)で掘削中にプロパンガスの引き込み管を破損し、作業者1名がガスを吸い込んだものである。

災害発生当日、被災者を含む作業者8名で歩道の植樹桝の設置工事を担っていた。作業者の1人がバックホウを運転し、歩道の掘削を始めたところ、地下に通っていたプロパンガスの引き込み管を破損してしまった。これに気づいた別の作業者は周囲の作業者に火器等の使用をしないことなどの注意を促した。被災者は引き込み管の応急処置を行うため、掘削穴に入って作業を始めたところ、開始して10秒ほどで穴から出てきてそのまま倒れ込んだ。

本工事を行う際、ガス管の埋設箇所の図面は事務所には置かれておらず、付近の道路にはガス管の表示があったが、現場作業員は気づいていなかった。

原因・対策

本件労災は、掘削工事を行うにあたって十分な埋設物の調査が事前に行われていなかったことやガス管自体に破損防止の処置が行われていなかったこと、さらに作業者の酸素欠乏症に対する認識が甘かったことが原因で起きた災害である。

このような事故を防ぐためには、事前に掘削箇所を調査し、今回のように危険な埋設物がある場合は破損防止の処置を行うもしくは移設するなどの適切な作業計画を立てることが重要である。また、作業者に対して酸素欠乏症に関する内容を含んだ安全衛生教育を徹底して行うことも大切である。

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